第12話 『決心』 担当:チャムチャチャイ
青いビン・・・なんだっけ?・・・少し考えてみたが、とりあえず今は部屋に入ることが先決だ。
急いでポケットの中を探って部屋の鍵を取り出す。
部屋の鍵を開け、急いで部屋の中に入る。靴を脱ぐのももどかしく、押入れに向かってダッシュした。
ガラっ!ものすごい勢いで押入れをあけた。
さっき押入れを開けたときは柔らかな光で包まれたのに、今は私の荷物が詰まっているだけ・・・
「どうしよう・・・」
押入れの前にへなへなと座り込んでつぶやく。
「ねえ・・・どうしたらいいの?・・・チャモ・・・プケ・・・ニシカワさん・・・」
目から涙があふれてくるのを止めることが出来なかった。
そうだ、あのビンを使えばなんとかなるかもしれない。そう思った私はポケットの中に入っていた青いビンと、コタツの上に置いてあった赤いビンを握りしめた。
今何時なんだろう?と時計を見てみる。18時45分・・・もう時間が無い。
まずは赤いビンを手にとってみる。この中からチャモが出てきたんだよな・・・
ぱか・・・
煙突の部分を外してみる。チャモがまた出てこないかと期待したけれど、今回はゆで卵も黒豚も出てこない。
「どうしよう・・・」
ぽつりとつぶやいてみるが誰も答えている人がいない。その時だった
「・・・さん・・・ユーミさん・・・聞こえてますか?・・・」
チャモの声だった。
「え!?どこ?どこにいるのよ?」
部屋の中を見回してみる。押入れの中、タンスの引出し、冷蔵庫の中、トイレ・・・どこにもチャモはいない。
「ここですよ、ここ。」
でもチャモの声はすぐ側で聞こえてくる。
「ビンですよ。赤いビン。私は今はそちらに行けなくなってしまいましたから、とりあえず声だけ送るようにしました。」
そうか、ずっとビンを握りしめたまま動き回ってたからチャモの声がすぐ側で聞こえたのか・・・バカだなあたしは。焦りすぎて周りが見えてないや。
「チャモ、今どこにいるのよ?どうしてこっちに来れないの?一体何がどうなってるのよ!?」
「一気にいろんなこと言わないで下さいよ。そちらに行けなくなったのは、たび重なるワープなどでパワーを使い切っちゃったからです。さっきプケが持ってきた急速充電装置でも間に合わなかったので、とりあえず音声だけでも送れるようにあなたのお父様にお願いしたんですよ。」
「あたしはどうしたらいいの?もう時間無いんでしょ?ニシカワさんも、4人で対立がおきてるっていうし・・・」
ニシカワさんの名前を口に出すたびにどんどん寂しくなってきて胸が苦しくなる。
「ニシカワのところへ行きましょう」
チャモがきっぱりと言った。
「え?行きましょうって、どこにいるか分からないじゃない」
「大丈夫です。青いビンがあるでしょ。」
私は目の前にあった青いビンをまじまじと見つめた。
「これでどうやってニシカワさんのところに行くの?まさか乗り込めとか言うんじゃないでしょうね?」
「そうじゃありませんよ。ロケットの頭頂部が外れるようになってます。そこを外すと今ニシカワがいるところまでワープできるんです。」
「そうなの?じゃあ今すぐ行きましょう。」
「ただ・・・」
チャモの声が少し硬くなった。この声で話すときはロクな事がない。今までの経験でわかってるんだ。
「ただ何?」
私も少し声を硬くして聞いてみる。
「ただ・・・今ニシカワがどこにいるか分からないんです。地球上にいるのかどうかも分からないんです。地球上にいるならいいんですが、もし真空の宇宙空間の真っ只中にいれば、そこへあなたもワープすることになります。」
「宇宙空間?真空?宇宙空間に行ったら息が出来なくなるだけじゃないの?」
「違います!真空の空間に生身の体で行ってごらんなさい。体中の血液が一瞬にして沸騰し、体内の気圧であなたの体は膨らみ続けて破裂してしまうんです!あなたの身柄の安全が最優先の私にはそんなギャンブルみたいなことをするのが怖いんです・・・」
チャモが悲しそうに言う。
「いいよ。そんなこと気にしてたら何も出来ないじゃない。」
「でも、ワープ先の空間までは私の声は届かなくなってしまうんです。そうしたら、あなたは一人で行動しなければいけないんですよ。」
「大丈夫。いろいろ心配しても何も始まらないよ。ここはひとつ覚悟を決めていかなきゃ。それに、何も行動しないで後悔するより、何か行動してから後悔するほうがいいじゃない。」
私の決心が伝わったのだろうか、チャモは「わかりました」と言ってくれた。
「ありがとう、じゃあ行ってくるね。」
「気をつけてください、決して無理はしないで下さい。自分の体が最優先ですよ。」
「うん。」
チャモには声しか届かないのに、私は精一杯ムリに笑顔を作ってみせた。
意を決した私はロケットの頭頂部を握ってひっぱった。
ぽわん・・・
そんな音がしてロケットから緑色の霧がもくもくと出てきた。その霧はまたたく間に私の部屋を満たしていった。
そのとたんに私の体がふわりと宙に浮かんだ。私はすべてこの霧に委ねることにした。
つづく
第12話の筆者:チャムチャチャイのコメント
はい・・・何もいえません・・・ただただゴメンナサイ・・・
締切りを思いっきり破ってしまいましたね。
とりあえず、今までの話を全部読み返すことにしました。前回までの話をすべて印刷してみたら、ものすごい分量になってました。
えらいこっちゃ・・・読み返すだけでも大変だなと気が重くなってしまいました(笑)
しかもあんま進んでないし・・・肝心なところで終わらせてるし(苦笑)
まあ、次の人がなんとかしてくれるでしょう(悪人)ガンバッテね
第12話の担当:あき 翆(ゴメンナサイ(笑)・・・) → お昼寝ぷぅか
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