第3話『何がなんだか…』        担当:チャムチャチャイ


「星の…王子様…」
私がもう一度つぶやく。すると王子様はにっこりと笑って信じられない一言を私に言い放った。
「星のって言っても元阪神の監督じゃないよ。それに僕はニ・シ・カ・ワだよ」
そう言ってクスクスと笑った。
『?????????』
私の頭の中にハテナマークが乱舞した。信じられない!この人がこんなオヤジギャグを言うなんて!!
そう思って隣の紗穂を見る。紗穂はいったいどんな反応をしてるだろうか?
「ぎゃはははははははは!!!」
笑ってる…こんなオヤジギャグで笑ってる???
「あんたおもろいなぁ。気に入ったわ」
うそ…今のオヤジギャグが面白いの?…紗穂の頭の中ってどうなってるんだろう?
とある理由でオヤジギャグが大嫌いになってしまった私はこの公園の中で一人ぼっちだった。
「紗穂、今のギャグ面白かったの?しょーもないオヤジギャグだったよ」
そう言っても紗穂はまだ笑っている。王子様は何事もなかったかのようにまたジャングルジムの上で天を仰いでいる。なんだか眩暈がしてきた…
私はどうしていいか分からずに、こみ上げてくる吐き気をこらえながら公園からダッシュで家に向かって走ってしまった。

公園を抜け、商店街を全速力で駆け抜ける。買い物中の人が何事かと私に注目するが、そんなことかまっていられない。私はスピードを落とさずに商店街を駆け抜ける。
自分の住んでいるアパートが見えてきた。アパートが見えて気が緩んできたのかそれとも疲れてきたのか、足の回転が鈍くなる。
ようやく部屋までたどり着く。ものすごい勢いで玄関の扉を開けて家の中に駆け込んだ。そのまま上がりがまちに腰をかけて呼吸を整える。
息を整えている間もさっきの出来事が頭の中をグルグル駆けめぐっていた。
『星の…星野…ホシノ…星…ホシ…☆…』頭の中で☆と王子様の笑顔でイッパイになる。

次の日から私は意識して公園を避けて通るようになった。どんなに気に入った人でも、ひとたびその人がオヤジギャグを言ってしまうと私はその人を倦厭してしまう。
紗穂とも王子様の話題は避けるようにしていた。紗穂はあの日私が公園からダッシュで逃亡したことを気にしながらも、私が王子様の話題を避けていることに気付き、何も言わないでくれているのだ。
そうして1ヶ月が経った。
大学からの帰り道、私はふと公園をのぞいてみようと思いここ1ヶ月続いていた帰宅のルートを変更することにした。
恐る恐る公園をのぞいてみる。いた…いつもと変わらない服装でジャングルジムの上に立っている。
私は彼の姿を見ると、1ヶ月前と同じように家に向かって走り出してしまった。

玄関の扉を開けると男と女の靴が玄関にあった。
?…あたし部屋間違えた?…いや、自分で鍵開けたからあたしの部屋で間違いないよね…
「おかえり」
部屋から聞き覚えのある声がした。父の声だ。と言うことは女性の靴はお母さんの?
「ただいま。ってかどうしたの?なにかあったの?」
聞いても父はニコニコ笑っている。
「どうした息を切らせて?何かあったのか?」
「うん。公園に変な人がいたの。そんなことよりお母さんは?」
「お母さんならそこだよ」
そういって父が部屋の奥を指さした。指の先には押入しかない。
「押入?」
私が父に聞くと父は首を縦に振った。
「なんで押入なんかに?」
「いいから開けてごらん」
私は訳が分からないままに押入を開けた。押入は上下2段に別れている。上の段には私の荷物以外何もない。そして下の段を見た瞬間私は凍りついてしまった。
母が倒れている!土気色の顔をして目をかっと見開き、唇の端からは変色した舌がだらりと垂れ下がり、かつては赤い色であったと思われる液体が一筋流れていた。
「きや〜!!!!!」
私は大声を上げて父の方を向いた。父はあいかわらずニコニコと笑っている。
お母さんはどうしたの?と聞きたいけれども叫び声をあげたあとは喉が凍りついてしまったように声が出なくなってしまった。
「そうそう、夕実はさっき公園に変な人がいるって言ったね?」
そんなことはどうだっていいのよ!お母さんはどうしちゃったのよ!?そう言いたいけれどもまだ声が出ない。
「公園にいる変な人というのは、ニシカワ君じゃないのかな?」
「え?」
やっと声が出るようになった。
「お父さんはニシカワさんのこと知っているの?」
お母さんのことよりも私はニシカワさんのことを父に聞いてしまった。
「ああ知っているとも。夕実も興味が出てきたようだね」
母の事もショックだが、父がニシカワさんを知っていることが私にとってはさらに衝撃だった。
「夕実はニシカワ君のことがもっと知りたいようだね」
私は母のことも忘れて父のニコニコ顔を見つめていた。そしてコクリと頷いた。
「そうか、ニシカワ君のことを知るにはこれが重要なんだよ。
そう言って父はポケットから何かを取り出し、私に何かを握らせた。
そっと握った手を開いてみる。私の手の中には赤いビンと青いビンがあった。

                           つづく


第三話の担当:チャムチャチャイのコメント

 実は僕文章を書くのって苦手なんですよ(いきなり言い訳(笑))小説なんて書いた
 こともないし、作文もニガテです。
 今回は、一話二話と続いてきたものをひっくり返すという目的で書きました。だって、
 リレー小説の醍醐味ってそこにありますからね。でも醍醐味とか言いながらも勢いで
 書いてしまったからかなり内容はムチャクチャ…
 さて、今後どうなるのか?お母さんはなんだったのか?赤いビンと青いビンの関係は?
 次の書き手に期待しましょう(笑)

第四話の担当:お昼寝ぷぅか(ごめん、頑張ってください(笑)

第二話はこちら