第7話『たまご通信』        担当:お昼寝ぷぅか


キラキラでピカピカのトンネルを抜けると何もなかった。
いや、よく見ると遠くに星がこれまで見たこともないくらい明るく輝いていた。
そして、きょろきょろと周りを見回すと後ろに地球が青く光っていた。
「ああ、ちょっと離れたところに出ちゃいましたね。
まぁでも、誤差の範囲です。ほんとはあそこに行きたかったのですが。」
チャモが指差すほうを見ると、地上に向かって降りていく赤い光
「あの中にあなたがいるんですよ」
しゃべる卵、ビンの中の世界、蝶々のトンネル、宇宙空間で呼吸や話ができること…。
信じられないことが続きすぎて、逆にもう何でも信じられる気がする。
私はチャモの言葉にうなずいた。
「こんなに離れたところに出ちゃったら、もうどうにもなりませんね。次に行きましょう。」
再びチャモは虫取り網をかざしダイヤルを操作した。


「あ、ずれた」
つるんとした後頭部(?)の向こうからそんな言葉が聞こえた。
「え?」
少しとがった声で私が訊ねると
「なんでもありませんよ」
と振り向いたチャモがうわずった声で答えた。
さっきからずっとこんな調子だ。
チャモの態度からみると全く目指した場所にたどりつけていないようだ。
と、チャモの後ろから光があふれ出し広がっていった。
私たちもその光に飲み込まれ、押し流されていった。


どうやら部屋のコタツで座ったままうたた寝していたらしい。
なんだか奇妙な夢を見た気がする。
手には殻をむいたゆで卵を持っていた。
ああ、晩ごはんを食べようとしていたんだったと思い冷蔵庫からマヨネーズを取って来て、
手にしていたゆで卵にマヨネーズをつけて食べる。
苦しい
ぱさぱさの黄身がのどにつまった。
無理やり飲み下した瞬間目の前に空を見上げ泣いている男性の顔が浮かぶ。
もう一口飲み込むと、ついさっき赤いビンの中に見たものがよみがえる。
卵を食べるごとに、彼を初めて見かけた夏の日からさっきまでの出来事を思い出してゆく。
その途中から脳裏に浮かんでくるイメージがチャモの声に変化した。
「いや〜、失敗しちゃいました。
わたしはしばらくの間充電中です。その間、身動きが取れません。
見たところ、さっきの影響であなたの部屋の押入れの奥に時空の歪みができていますね。そこからニシカワたちに会いに行けるでしょう。今後の方針は先生にでも訊いてください。
それでは、2月の満月の晩、赤いビンを持ってあの公園に来てください。よろしくおねがいします。」
一方的に言いたいことだけ言うとそれきり沈黙してしまった。

                           つづく


第七話の担当:お昼寝ぷぅかのコメント

テーマがバレンタインだのホワイトデーだったりするのにまだ12月なので
一気に物語中の時計を進めるつもりだったのですが
結果は、日付すら変わっていません
あと3話でなんとかなるのでしょうか
かなり投げっぱなしです


第八話の担当:あき翆(どう転がるやら)

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